野良里蔵狸 -norakura-

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科学常識チェック11問の謎

  科学常識このぐらいは――目安作り、文科省乗り出す

 ここに紹介されていた科学常識チェック。
 日欧米の18歳以上の成人を対象として科学技術に関する11 問の共通問題を与え、その正答率を国際比較した調査である。○か×かでどうぞ(回答は記事末尾にて)。

 〈 1〉地球の中心部は非常に高温
 〈 2〉すべての放射能は人工的に作られた
 〈 3〉我々が呼吸に使う酸素は植物から作られた
 〈 4〉赤ちゃんが男の子になるか女の子になるかを決めるのは父親の遺伝子
 〈 5〉レーザーは音波を集中することで得られる
 〈 6〉電子の大きさは原子よりも小さい
 〈 7〉抗生物質はバクテリア同様ウイルスも殺す
 〈 8〉大陸は何万年もかけて移動しており、これからも移動するだろう
 〈 9〉現在の人類は、原始的な動物種から進化した
 〈10〉ごく初期の人類は、恐竜と同時代に生きていた
 〈11〉放射能に汚染された牛乳は沸騰させれば安全

 日本の正答率は54%で13位。1位スウェーデンの73%、5位米国の63%ということから、日本は6問正解、アメリカは7問正解、スウェーデンは8問正解が平均点。



 ゆとり教育見直しもあって、なかなかタイムリーな記事だと思ったが、他新聞では全く見当たらない。ちょっと疑問に思って元記事を探し回ったらようやく見つかった。

  平成15年度 科学技術の振興に関する年次報告(全体)
   3章 社会とのコミュニケーションのあり方
    第1節 科学技術に関する国民意識の醸成(元記事,PDF)

 10ヶ月前の文科省の報道記事だ。どうりで他がきづかない訳だ。
 この調査は米国が1999年、日本・EUは2001年、EU候補国が2002年に実施されたものである。少なくとも 4年前には科学技術意識が欧米に比べて低いのがわかるが、その当時から警鐘を聞いた記憶がない。

 ただ、統計上必要なサンプル数が全く明記されていないのが気になった。そこで、次に資料元となる「科学技術政策研究所「科学技術に関する意識調査(平成13年)」を探しに行くが、具体的なのが検索で引っかからない。
 そこで科学技術政策研究所に行ってみるが、わかりにくい。政策研ニュースから探ってみると面白いものが見つかった。

  No.142 Aug.2000 科学技術に関する国民意識調査について -我が国及び各国の調査の状況 その2 -

 この真ん中当たりに、1990?1992年頃の「科学技術概念の理解度に関する14カ国比較」があるのだが、なんとここでも日本は14カ国中、13位。なんと 15年近くも前から何も状況が変わっていないのである。これには参った。文部省の時代から、この問題は棚上げ。何だよこれ?。統計だけとっておしまいかよ。逆に米国では確実に理解度を上げているのがよくわかるだけに何だか。
 なお、問題を見ると「地球の中心はとても熱い」「電子の大きさは原子の大きさよりも小さい」「抗生物質はバクテリアと同様にウイルスも殺す」など5つあったが、変わっていなかった。

 さらに調べを進めると、今度は2001年2?3月に一般国民3000人を対象に行われていた資料が見つかった。こっちの方が新しいって…いったい。

  科学技術に関する意識調査 - 2001年2?3月調査 -

 関心度とかは10年前と比較し確実に下がっている。何もしてないから当たり前か。それよりも正答率欄に 1991年や1999年が加味されていない。これはわざとだろうか?。それ以前に No.142 Aug.2000のグラフと、ここのグラフ、欧米の1995年以前の数値が食い違っているのが気になった。古い方の編集者のミス?。まぁ、いいや。
 ここには1999年の米国がしっかり記載されている。日本も平成15年時の資料に1999年の正答率(53%)が記録されているので併記はできるはずだ。これを並べると僅か 2年で正答率が 2%下がることになる。これを隠したいのか?

 読売新聞の記事では

 「4月にまとめた報告書「第3期科学技術基本計画(2006?2010年度)の重要政策」の中に、「日本の成人が身につけるべき科学技術リテラシー像(科学・数学・技術に関係した知識・技術・物の見方を具体化、文書化したもの)を策定する」との方針を明記した

 と記載されているが、ここまで来ると調査せずにはいられない(笑)。

 4月にまとめた報告書は中間とりまとめ段階であり、確実ではない。また、概要をみると、

(4)学技術と社会の関わり
・科学技術への理解と共感の醸成に向け、研究者等のアウトリーチ活動、科学技術コミュニケーション人材の養成を推進
?成人が身に付けるべき科学技術リテラシーの水準・内容の検討を推進

 とサブ項目扱い。全体から見るともの右下に凄く小さく書いてある。

 そこで本文も見てみるが、もう何が何だか。

 幼少期から高齢者まで広く国民を対象として、科学技術に触れ、学習できる機会の拡充を図ることとし、その際には芸術と科学技術を融合させた形態や生活に密着した形態等による親しみやすい情報提供を工夫する。また、国立科学博物館・日本科学未来館をはじめとする博物館・科学館等の充実を図ることとし、各地域の博物館・科学館については、その活動の活性化・充実についての設置者の一層の努力を期待する。また、地域におけるネットワークの拠点としての博物館・科学館等の積極的な活用、博物館・科学館職員、科学ボランティア・非営利団体(NPO)等の人材養成を推進する。加えて、大学においては社会人の受け入れ等の開かれた大学づくりや大学博物館の充実等の取組に期待する

 人を呼ぶばかりで水準が上がるわけがない。まず興味を如何に持たせるかであるのに。これでは税金の無駄遣いもいいとこだ。
 しかもこの問題は 2001年2?3月調査ではすでに結論がでている。

(科学技術の情報源)
科学技術の情報源については、テレビ、新聞が中心であり、科学技術関係の公共施設への訪問回数は少ない

 科学技術情報:現在の入手方法(複数回答可)ではテレビのニュース(91%)、新聞記事(70%)、ドキュメンタリー番組(53%)、…と続き、博覧会・博物館はわずか 8%しかない。また、科学技術情報:満足している入手方法(複数回答可)でも、同順位で57%、35%、31%と続き、博覧会・博物館はわずか 2%。将来使ってみたいのアンケートでは「特にない」が過半数を占めている。
 こういった統計があるのにこの結論はいったい…。

 こう考えると、平成15年にわざわざ古い 1999年の資料を引用したのがきな臭く感じる。なんか文科省は大学や博物館関係者に便宜を図っているようにも取れる。読売新聞の記者もここからしっかり取材して欲しかった。

 …って、休日出勤して何やってんだ、俺(´・ω・`)

 ちなみに自分は11問中10問正解。父親なのに 4番間違えちゃったよ(笑)。これならスウェーデンに行けそうだ♪(おい)
 それにしても「日本の正答率は54%」って、よく見ると確率半分と変わらないじゃん。2,3問わかればあとは適当って感じ。いいのかこれ?

正解)
1.地球の中心部は非常に高温(○)
2.すべての放射能は人工的に作られた(×)
3.我々が呼吸に使う酸素は植物から作られた(○)
4.赤ちゃんが男の子になるか女の子になるかを決めるのは父親の遺伝子(○)
5.レーザーは音波を集中することで得られる(×)
6.電子の大きさは原子よりも小さい(○)
7.抗生物質はバクテリア同様ウイルスも殺す(×)
8.大陸は何万年もかけて移動しており、これからも移動するだろう (○)
9.現在の人類は、原始的な動物種から進化した(○)
10.ごく初期の人類は、恐竜と同時代に生きていた(×)
11.放射能に汚染された牛乳は沸騰させれば安全(×)
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コメント

TB&コメントどうもです。
'91年からそんな低レベルだったとは。。
科学ばなれとか言われ出す前の話ですよね?
休出ごくろうさまです。 ^^;

  • 2005/05/03(火) 16:21:00 |
  • URL |
  • Picaso #-
  • [ 編集]


あ、BlogPeopleへの登録、多謝です。 m(__)m

  • 2005/05/03(火) 16:24:01 |
  • URL |
  • Picaso #-
  • [ 編集]

いえいえ>Picasoさん

91年以前も遡ってみたかったのですが、
世界比較が事実上この年らしかったので
つかめませんでした(質問が微妙に異なる)。

ともあれ、文科省(国)があてにならないのが
浮き彫りになっただけに、どうしたものやら…。

  • 2005/05/03(火) 18:09:05 |
  • URL |
  • tanukur #VgYZu9o6
  • [ 編集]

ほんとうにそうかしら?

たまたま寄りました。
関心が高いと推察されるアメリカはカリフォルニアに住んでます。
自分の感じるのは日本の人たちの方が平均の科学知識は高いということです。
私が理系の人間だからかもしれませんが、米国に限って言えば貧困・富裕層の格差がとても激しいので、質問にもろくに答えられない人たちがカウントされてない気がします。

ただ日本の科学の教え方には私も異議を唱えたいです。もっと面白いんだよって教えてあげて欲しい。。。

はじめまして、kennieさん。

貴重なコメントありがとうございます。外国に住んだことがないので、海外での一般生活が実はよくわかりません(^^;)。このような現地からのご意見は大変参考になります。

なるほど、質問にもろくに答えられない人たちがいるんですが…。回答欄が○、×になった理由が分かった気がします。記事にはしませんでしたが、1987年の調査(日米仏)では質問が5パターン(絶対そう、多分そう、多分違う、絶対違う、わからない)だったんですよ。それが世界標準になった途端、○×方式に。ただ、確率で半分答えられるのはどうかと…。

文科省(国)主導ではダメでしょうねぇ。。まだ、でんじろう先生の方が期待できます(笑)<たまにTV番組に出てきて、誰でも興味が持てる科学実験を披露します。

  • 2005/05/14(土) 17:47:24 |
  • URL |
  • tanukur #Q62dq5to
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