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大豆イソフラボン:妊婦・幼児は取り過ぎ注意?

  大豆イソフラボン、妊婦さん取り過ぎ注意【朝日】2/1
  大豆イソフラボンのサプリメント摂取「1日30ミリグラム」【日経】2/1

 食品安全委員会の専門調査会は1月31日、大豆イソフラボンの摂取量上限値を検討し、「安全な1日当たりの摂取目安量を70?75mg、特定保健用食品で摂取する目安を30mg。ただ、妊婦や乳幼児などは通常の食事以外からの摂取は勧めない」と発表した。
 大豆イソフラボンは骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、乳ガン/前立腺ガンの予防効果があると言われている食品成分だ。最近ではCM効果もあり、知名度も上がったと思う。

 朝日新聞の記事を見る限り、「妊婦さん取り過ぎ注意」という割には、科学的根拠がない。また、財団法人日本健康・栄養食品協会の抗議が悪者扱いに見える。
 そこで日経新聞の記事を見ると、専門調査会の審査がまだ検討中とか、最後に「錠剤などで過剰摂取の恐れがあるが、豆腐や納豆など大豆由来食品を食べることを制限するものではない。むしろ推奨されるべきだと思っている」とまとめており、妊婦や乳幼児への注意が全くない

 どっちが正しいのか?。疑問になったので調べてみることにした。

  第32回新開発食品専門調査会食品安全委員会

 一次ソースはこれだろう。議事録がまだ準備中で公開されていないため、「資料1 大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方(第32回会合修正案)」(PDF形式)を読んでみることに。専門調査会の見解が詳しくまとめられている。


 記事の元となったのは、大豆イソフラボンを売りにした3製品を「特定保健用食品」として認可するかどうかの審議会である。

 オーラルヘルスタブレット カルシウム&イソフラボン
  関与成分:大豆イソフラボンアグリコン
  表示量:9mg/日
  摂取形態:大豆イソフラボンアグリコン及びカルシウムを含む錠剤形態の食品

 イソフラボンみそ
  関与成分: 大豆イソフラボン(アグリコン及び配糖体)
  表示量:53mg/日(アグリコン換算48mg/日)
  摂取形態:大豆イソフラボンアグリコンを添加した味噌

 大豆イソフラボン40
  関与成分:大豆イソフラボン配糖体
  表示量:40mg(アグリコン換算26mg/日)
  摂取形態:大豆イソフラボン配糖体を含む錠剤形態の食品

 文脈からすると、大豆イソフラボンは配糖体とアグリコンから構成され、食品成分としては後者を重視するようだ。

 これまでの特定保健用食品として認可、販売された大豆イソフラボン製品は関与成分が「配糖体」の「健康飲料」だけ。大豆イソフラボンの表示量は配糖体 40mg/日(アグリコン換算 25mg/日)だった。今回の3製品は今までと認可してきたものと異なるため、改めて安全基準値の再検討を行ったように思われる。

 まとめとして、基準値がp.47に書いている。
 ここによると、現時点での大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量上限値は、大豆イソフラボンアグリコンとして70?75 mg/日。特定保健用食品として、日常の食生活に上乗せして摂取する量の上限値は閉経前女性の結果を外挿し、大豆イソフラボンアグリコンとして30 mg/日。新聞報道は間違っていない。

 理由については、「6.食品健康影響評価」(p.38)にある。
 簡単に書くと「閉経後女性を対象にした大豆イソフラボン錠剤(150mg/日)を5年間長期摂取試験したところ、30ヶ月(2年半)時点では子宮内膜増殖症は認められないのが、60ヶ月(5年)時点では発症が有位に高かった」資料を重視し、この半分の量なら問題ないと一般の上限値を定めている(他にも理由があったが割愛)。
 特定保健用食品としては、大豆イソフラボンが血清E2濃度に与える影響と、閉経前女性の月経周期に与える影響を考慮し、血清E2濃度に影響を与えた57.3mg/日(これは通常の食生活から追加した量)の半分を基準にしたようだ。


 もう一方の妊婦と幼児への影響だが、これにはヒトに影響を与えたデータが存在していない。朝日新聞にあった「追加摂取する場合の安全性は科学的に判断できない」と歯切れが悪い書き方になっているのはこのためだろう。
 では、なぜ摂取を勧めないのかというと、動物実験で影響があったからだ。大豆イソフラボンの高濃度暴露により、生殖機能への影響があったらしい。特定健康用食品指定としては無視できなかったのだろう。

 ちなみに動物実験資料(p.21)を見たが、大豆イソフラボンではなく、エストロゲン活性の高いゲニステインで実験したデータを引用していた。参考にした投与量は50mg/kg/日。
 10kgの子どもなら 500mg、50kgの女性なら 2500mg …( ゚Д゚)? 資料を端々まで見たわけではないが、ちょっと強引じゃないかと(笑)。

 なお、一つ興味深かったのがフランス(仏食品衛生安全庁)での対応(p.36)。日本以上に厳しい。
 イソフラボンアグリコンの1日摂取量の上限は 1mg/kg体重/日。体重50kgならば、50mg/日だ(日本は一律70?75mg/日)。乳幼児が大豆タンパクを主成分とする調理食品を摂取する際は 1mg/Lを上限とある。また、乳がん患者及び本人又は家族に乳がんの病歴のあるヒトは、腫瘍増殖及び増大のリスクを考慮し、摂取すすめていない。
 日本では乳がんの予防、フランスでは乳ガンの病歴があると促進。??。一度、乳がんになったら効き目なし?。人種(遺伝)的違いとかあるのかちょっと気になったが、さすがにそこまで調べる時間がないので諦める。


 考えるに、大豆イソフラボンを毎日150mg摂取しても 2年半は影響がなかった訳で、多少摂取しても気にしなくても良いかもしれない。PDFにも「大豆由来食品からの摂取量がこの上限値を超えることにより、直ちに、健康被害が発生するというものではないことを強調しておく」と明記されている。

 もしこのまま決定されれば、30mgを超える「イソフラボンみそ」は認可されないことになる。これが今後の審査会で認可されていくのか少々興味がある。

 ふと思ったのが、「大豆イソフラボンを摂取しないとどうなるのか?」。
 良い面(悪い面)は判ったが、ビタミンみたいに欠乏すると何か問題があるのかと思ってちょっとググったが見つからない。「大豆イソフラボンが欠乏すると…」を「エストロゲン(女性ホルモン)が欠乏すると…」と半ば詭弁ぽく解説する健康食品販売サイトは結構あったけど(笑)。
 そう考えると、医療行為として摂取が必要じゃない限り、特定健康用食品やサプリメントに手を出してまで、無理に摂取する必要はないと思ってしまう。


 あと、朝日新聞が最後に書いた一文は悪意を感じてしまう。

「財団法人日本健康・栄養食品協会は1月12日に、調査会が根拠としたデータへの疑問があるとして「適正なサプリメントの活用を阻害し、好ましくない影響を与える可能性がある」との意見書を安全委に出している。

 この意見書もしっかり掲載されていた。

  参考資料1 日本健康・栄養食品協会による情報提供(PDF形式)

 そこの最後には「公表に際してのお願い」とあり、「前回の食品安全委員会新開発食品専門調査会の報道でも消費者の誤解を招いたこともあり、どうしても大豆食品の安全性に危惧の念を抱かせます。(中略)国民の誤解を与えることがないよう適切な情報発信をしていただくと共にマスコミに対する指導をお願いいたします(抜粋)」とある。

 日経新聞が「食生活を制限するものではない」と書いたのに対し、朝日新聞にはそれがなく、断定的に記事をまとめ、意見書の事まで持ち出している。

 その文章も原文は「特定健康用食品としての大豆イソフラボンの一日上乗せ摂取量を一律に30mgとしてしまうことは、多数存在する大豆食品からの摂取量が少ない人の日常生活の接収量の応じた適正なサプリメントの活用を阻害し、健康の維持・増進において好ましくない影響を与える可能性があると考えられます」で、太字の朝日記事だけ読むと、「好ましくない影響って、業界の方?」と勘ぐってしまう。朝日らしいといえば、それまでだけど。


 もっとも自分で調べてみて、個人的には特定健康用食品としての「30mg」は妥当かな?とも思う。フランスの例もあるし、特定健康用食品の意味を考えれば現状はしょうがないだろう。
 ただ、「参考資料4 国民からの御意見・情報の募集結果について」(PDF形式)を見ると、専門調査会に厳しい意見が多く寄せされていた。

 さて、今日は節分。自分の歳の数だけ「大豆」を食べると……。特定健康用食品よりも大豆イソフラボンが多く取れるような気がしてしまうのは気のせい?(´・ω・`)
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  • 2006/05/17(水) 15:53:46 |
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